お米の品種、いくつ知っていますか? — 風土が育てる日本の味
「お米は何を食べていますか?」
こう聞かれて、品種名をすらすらと答えられる方は、実はそう多くありません。スーパーで手に取るお米のパッケージに書かれた名前を、なんとなく覚えている程度ではないでしょうか。
しかし、日本で栽培されているお米の品種は300種以上。それぞれに異なる個性があり、その違いを知ることは、毎日の食卓をぐっと豊かにしてくれます。
お米の「味」は何で決まるのか
お米の味を左右する要素は、大きく分けて三つあります。
一つ目は品種の遺伝的特性。粘りが強い、あっさりしている、甘みが際立つ——こうした基本的な性格は品種によって決まっています。
二つ目は栽培環境、つまり風土です。同じコシヒカリでも、新潟の魚沼で育ったものと九州で育ったものでは、味わいが異なります。日照時間、昼夜の寒暖差、水の質。これらが米の成分バランスに影響を与えます。
三つ目は精米と炊き方。玄米と白米では当然味が違いますし、水加減や浸水時間でも仕上がりは大きく変わります。
知っておきたい個性派品種
コシヒカリは日本で最も多く栽培されている品種で、強い粘りと甘みが特徴です。万人に好まれる味わいですが、実は「お米の世界」の入口にすぎません。
ササニシキは、かつてコシヒカリと人気を二分した品種。あっさりとした食感で、寿司職人に愛されています。粘りが少なく、おかずの味を引き立てる「脇役力」が魅力です。
つや姫(山形県)は、2010年にデビューした比較的新しい品種。その名の通りツヤが美しく、甘みと旨みのバランスに優れています。
森のくまさん(熊本県)は、コシヒカリとヒノヒカリの交配で生まれた九州の品種。2012年の食味ランキングで全国1位を獲得し、一躍注目を集めました。もちもちとした食感が特徴です。
にこまるは九州を中心に広がっている品種で、高温に強く、地球温暖化時代の期待の星。名前の由来は「おいしくて思わずニコニコ、丸々とした粒」から。
風土とお米の関係
なぜ産地によって味が変わるのか。それは、水と気候の違いに尽きます。
九州のお米は、温暖な気候と豊富な水のおかげで、比較的大粒でしっかりとした味わいになる傾向があります。一方、東北のお米は、冷涼な気候と清冽な雪解け水により、繊細で上品な甘みを持つことが多い。
特に水の質は決定的です。ミネラル豊富な火山性の土壌を通った水で育った米と、花崗岩の山から湧き出る軟水で育った米とでは、同じ品種でも味が変わります。
お米を選ぶとき、品種名だけでなく産地の水と土にも思いを馳せてみてください。それだけで、一膳のご飯がぐっと特別なものになります。
まるまるほんまるのお米への想い
私たちは、九州を中心とした生産者さんと直接つながり、その風土と想いが詰まったお米をお届けしたいと考えています。品種の違い、産地の個性、そして生産者のこだわり——お米を選ぶ楽しさを、もっと多くの方に知っていただきたい。
次回は、実際に九州の米農家さんを訪ねて、田んぼから食卓までの旅をレポートします。
この記事は「米の恵み」シリーズの第1回です。